【活動報告】令和3年度2月議会本会議質問① 受動喫煙防止対策について
今回の質問は大要3点。前編は「受動喫煙防止と分煙環境整備に関する質問です。
私はたばこを吸いませんが、たばこを吸う人を嫌いではありません。
本来喫煙は各人の選択に任されるべきものであり、未成年者を除く万人にたばこを楽しむ自由はあります。
下落の一途を辿っているとは言うものの、一定の割合で煙草を吸う方は存在して、たばこ店を介して区には、たばこ税約20億円が毎年収められていることは事実であり、受動喫煙など健康被害につながる状況になるのか、ならないかは、喫煙者自身のマナーはもちろん、住民・企業住民を預かる自治体や事業者の責任でもあると考えます。
立ち止まらず、分煙環境を整備することにより将来に渡り、受動喫煙を防止して行く事を区に求めています。
私自身、多くの自治体の事例を研究するなかで、わが区で実施できそうな事も多いのですが、制度上の壁が立ちはだかります。
墨田区の課題
①区施設以外の公共の場所には、受動喫煙防止、分煙環境整備に関する条例がない。
(街を美しく安全に保つことが目的の「墨田区路上喫煙等禁止条例」のみ存在)
②区の施設(学校含む)には「受動喫煙防止対策のための墨田区基本指針」がある。
(受動喫煙防止のための分煙環境整備が明文化されている)
>>> 区施設を利用しない、職員でない区民にとっては不十分
錦糸町駅北口喫煙所は要望で背の高いパーテーションがつきました。(2022.11)
他区の事例は、主に2タイプのアプローチで分煙環境を整備しています
決断した足立区
①足立区は、都条例改正を機に、計画的に喫煙所を整備
(高性能空気清浄コンテナ型6基含む12カ所、設置後は路上喫煙に過料を実施)
快適なまちづくりと捉えた中央区・渋谷区②中央区・渋谷区はまちづくりとして分煙環境を整備
(条例で大規模建設事業者に対して喫煙所設置を義務化、一定の基準をクリアした民間喫煙所や喫煙所設置助成を活用した民間喫煙所を区指定喫煙所に指定)
>>>わが区はまちづくりとして同様の指導は不可能
(指針や条例が存在しないので、建築指導要綱に分煙環境整備を盛り込めない)
足立区梅島喫煙所、コンテナ型の稼働状況を会派に声かけし、有志で視察させて頂きました(2019。09)
喫煙所整備後、足立区では過料を実施しています。
都内12区では設置助成、うち8区は運営コストも助成
わが区は喫煙所設置助成事業は実績がなく、昨年末で終了していた
(分煙環境整備を積極的にやりにくい部署が予算を管理、都は助成を継続中)
>>> 成果を上げている自治体を見習える体制にない
選択に資する情報提供が大事
喫煙は各人の自由な選択に任されるべきでありますが、そのためには選択に資する情報提供が必須
(ライフステージの変化等タイミングを捉えてお知らせしているか)
坂井ユカコからの結論と訴え
・区として屋外の公共の場所での受動喫煙防止対策を明らかにすべき
・路上喫煙等禁止条例に受動喫煙防止の観点を盛り込めないか検討すべき
・民間事業者と協力して喫煙場所を分散し、受動喫煙を防止すべき
・新たな体制・部署による喫煙所設置助成事業の再構築
・将来のまちづくりや、社会環境の整備に関係条例を点検・更新すべき
・喫煙選択に資する情報提供の拡充
以上、前編まとめでした。
所管を跨ぐ質問、さらに国の健康増進法を超えることも難しく、答弁は難解であったと思います。
前向きなお答えをいただき、良い問題提起が出来たと思います。
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質問全文となります。
もしお時間ございましたら、ぜひご一読下さい。
受動喫煙防止対策について
厚生労働省は分野別政策で、たばこ関連疾患が顕在化するまでには、数十年のタイムラグがあることから、「将来たばこによる死亡を減少させるためには、①未成年の喫煙防止、②受動喫煙防止のための分煙整備、③禁煙および節煙支援 を進めることが重要」としています。
大要1点目は、受動喫煙防止対策について、区長にお尋ねしてまいります。
まず、路上喫煙等禁止条例と区内喫煙所開設状況についてお伺いします。
わが区では、公共の場所における安全の向上及び美化の促進を図ることにより、快適な地域環境の確保に資する事を目的に「墨田区路上喫煙等禁止条例」を制定し、区域を定めた上で、吸い殻の回収や喫煙所の設置、啓発活動を行っております。
駅前などでは特に、ポイ捨てや歩きたばこを見かける機会は無く、条例制定によるマナーの向上を実感するものの、喫煙所には大勢の人が集まり、受動喫煙に苦しむ方々には、依然として厳しい状況が続いております。
まずお尋ねします。
墨田区路上喫煙等禁止条例にある「快適な地域環境」とは、どのような状況を指し、「安全」と「美化」は、たばこ諸課題全体で、どのような位置や割合を占めているのでしょうか。区長のご所見を伺います。
6月議会で、私は曳舟駅周辺の路上喫煙禁止推進地区の分煙対策について質問いたしました。
その際区長からは、分煙環境を確実に図ることができるコンテナ型やトレーラー型の喫煙所の導入について、地域の要望も踏まえ、分煙が徹底できる環境の整備に向けて、対応を検討していくとのご答弁を頂きましたが、その後の進捗を伺います。
次に、「受動喫煙防止対策のための墨田区基本指針」に。関連して伺います。
この指針は、区施設の管理者が、健康増進法第25条 および東京都受動喫煙防止条例に基づき、施設内での受動喫煙防止対策を進めるにあたっての基本的な考え方を示したもので、各主管課の役割を決めた上で、連携して、取り組みを進めて行くとしています。
対象は、都条例第2条に定める区の施設や学校で、区施設を使う人と、そこに働く人の健康と快適な職場環境の確保が主眼となっております。
一方、指針の対象でない公共の場所については、
道路等の屋外は、「墨田区路上喫煙等禁止条例」、公園や児童遊園は、「墨田区立公園条例」や要綱の定めに準ずるので、参考するように、と記載されています。
しかし、「墨田区路上喫煙等禁止条例」には、受動喫煙防止の視点が無いので、参考は不可能です。
そこで区長に質問です。
区施設だけでなく、道路等の屋外の公共の場所にも、望まない受動喫煙を無くすため、区として、明確な考えを示しておくことは、重要であると考えますが、区長のご所見を伺います。
墨田区路上喫煙等禁止条例に、受動喫煙による健康被害について記述が無い事は、平成17年、条例制定時のパブリックコメントでも指摘されています。
道路等の屋外の公共の場所での受動喫煙防止対策としての分煙環境整備について、条例に盛り込むことは検討できないでしょうか。
条例が謳う「ポイ捨て」や「火傷」は、歩きたばこが主な原因であるため、喫煙所を設置する根拠として乏しく、ひと通り重点地区に喫煙所が設置された今、喫煙場所の分散など、新たな受動喫煙防止対策を進める上で、対応が必要な時期に来ていると思います。
現況を踏まえ、区長のお考えを伺います。
令和2年度の中学生区議会で、中学生議員たちから「路上喫煙対策として喫煙所を増やすべき」という提案がなされました。
その時の「場所がありません」という理事者からの答弁が、大変残念でした。
大学の皆さんと一緒に考え、中学生議員が一所懸命出した問いに対して、まさしく今できる方法を、考えたいと思いました。
そこで、他区の事例についてご紹介したいと思います。
まずは足立区です。
足立区は、都条例改正を機に、喫煙所を整備、改良すると決め、計画を策定しました。
道路法、建築基準法、バリアフリー法など、法的な課題、さらに予算措置という大きな課題を乗り越え現在、竹ノ塚駅 交通島に設置した喫煙所ほか6カ所にコンテナ型、北千住駅西口ほか6カ所に屋外パーテイション型、電子たばこ専用を含め、12カ所の喫煙所が開設されております。
中には都道、環状七号線側道に開設した例もあり、専門部署を設置した成果が伺えます。
なお、喫煙所整備後、同区では、周辺区域の路上喫煙に対する過料を実施しております。
区長に伺います。
こうした取り組みについてどのように評価されるか、またわが区に置き換えた場合、どのような障壁や課題があるとお考えになるか、伺います。
喫煙者がたばこ店を介して支払う年間約20億円のたばこ税は、区政を動かすうえでの貴重な財源となります。
足立区のように、集中的に計画を行う時の、たばこ税活用について、区長のご所見を伺います。
次に中央区、渋谷区 の事例についてです。
中央区は、まさに受動喫煙を防止する立場から、「中央区受動喫煙防止対策の推進に関する条例」を制定しました。
そして条例で、民間事業者が設置した喫煙所が、受動喫煙防止に資するときには、区がその喫煙所を、区指定喫煙所として指定することができる、としたのです。
結果、現在、同区喫煙所34カ所のうち、17カ所が、民間事業者が運営する区指定喫煙所となり、受動喫煙防止に効果を上げています。
さらに中央区は、「中央区まちづくり基本条例」で、喫煙所の設置を開発事業者の責務として明記しました。この条例により、中央区内で、新しく建つ一定規模以上の商業施設やオフィスビルには、喫煙所が設置されております。
同じように渋谷区も、条例で、一定規模以上の開発に、地域貢献のための、公共利用施設として、喫煙施設の設置を規定したり、助成制度を活用した民間喫煙所を区指定喫煙所に指定することにより、現在15の喫煙所が民間により運営されております。
そこで区長に伺います。
民間事業者と一緒に、受動喫煙防止を進めていくことは、喫煙所設置場所の確保が極めて難しいわが区にとって有効であり、喫煙場所の分散による受動喫煙防止にも直結していく手法だと思います。
民間事業者との協力・協調について、区長のご所見を伺います。
この際、関係条例の整備についてもお尋ねします。
わが区は、大規模建築物の建設に対し、事業者が、各種法令や条例に基づく設備を設置する事を「墨田区開発指導要綱」で求めています。
事業者は、事前に各機関と協議の上、計画案を提出し、区が指導を行う事により、望ましいまちづくりに誘導しております。
当初私は、成果を出している区に倣い、指導要綱等に、喫煙所設置を盛り込むことを提案したいと考えましたが、調査する中で、それは難しいと分かりました。
要綱に反映するための、似つかわしい方針や条例、計画が無いためです。
そこで区長に伺います。
今後受動喫煙防止対策を進める上で、その施策の正確性や客観性を担保していくためにも、既存の関係条例等を点検し、更新してゆく必要があると考えます。区長のお考えを伺います。
続いて喫煙所開設、運営に関わるインセンティブについてお尋ねします。
わが区では、かつて公衆喫煙所設置助成事業を実施しておりましたが、令和3年12月に事業は終了し、ホームページからも削除されております。
まず、この事業が終了した経緯をお伺いします。
23区の喫煙所整備助成状況を調べると、12区が、喫煙所整備に関する助成制度を新規や継続で実施しており、うち8区は、維持管理費についても助成を実施している事がわかりました。
これら自治体の多くは、助成金で設置された喫煙所を積極的に区指定喫煙所として指定するなど、制度を活用して、受動喫煙防止対策を進めています。
そこで伺います。
喫煙所開設・運営に対するインセンティブは、民間協調のまちづくりに繋がります。
一度終わったわが区の助成事業ですが、提案した内容なども踏まえ、将来のまちづくりや、社会環境の整備に資する事業として、再構築・継続することはできないでしょうか。
区長のご所見を伺います。
ある保険会社の調査によると、喫煙習慣がある人のうち、「禁煙するつもり」や「やや禁煙したい」と回答した、いわゆる『禁煙意向』をもっている人が、約半数いる事がわかりました。
また、ご本人より、ご家族からの希望が高いことも明らかになりました。
喫煙者が、禁煙や節煙を考えるタイミングは、例えば、結婚したり、子供や孫が生まれたりと、ライフステージの変化に伴い、家族や周囲の受動喫煙に配慮し始める時だと言われております。
そこで伺います。
わが区では、禁煙を希望する区民の方に対して、「禁煙医療費補助事業」を実施していますが、この制度が有効に活用されるよう、喫煙者が禁煙や節煙を考えるタイミングを捉えて、お知らせするなどの、工夫はできないでしょうか。
喫煙は本来、各人の自由な選択に任されるべきですが、その背景には、選択に資する情報提供が図られている事が大切です。より効果的に十分な情報提供を行うことについて、区長のご所見を求めます。
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