11月議会 代表質問 ③ ウィズコロナ時代の教育施策・災害対策について
決算特別委員会が終わり、即11月議会準備と慌ただしく過ごしておりますが、今定例会で、会派を代表して、本会議質問の機会を頂きました。大要6点、8000文字の質問を、数回に分け、投稿させて頂きます。

大要3点目は、ウィズコロナ時代の教育施策・災害対策についてです。
まず、学校の学力向上施策等について伺います。
今年、区立の小中学校では、3月から5月まで臨時休業を余儀なくされましたが、各学校では、事前の計画どおりに「学習の振り返り期間」の学習内容に沿って、自宅学習のプリント教材による振り返りを行い、学習の定着を図られたと伺いました。3か月に及ぶ学校の休業は、児童・生徒たちにも少なからぬ影響があったと推察します。各学校では、今後さらにICT等の活用を充実して「学習の保障」と「学力の向上」を目指されるのだと思います。
子供を取り巻く環境は、今後も目まぐるしく移り変わり、子供たちは、その中でしっかりと 学び、生活し、成長していかなければなりません。①教育長としては、今後、どのような子どもの姿を目指して、学力を伸ばしていこうと考えているのか、お尋ねします。
次に、「GIGAスクール構想と学力向上」について、伺います。
文部科学省のGIGAスクール構想を受けて、本区でも、区立小中学校の児童・生徒に一人一台、学習用タブレット端末が配布され、使用が開始されます。
このタブレットを活用することで、一人ひとりの興味・関心や、学習理解の状況に応じて、個別に最適な学習を継続的に実施できる事を期待します。
②そこで今後、タブレット端末を利用して、児童・生徒の学力向上をどのように進められるのか、具体的な考え方を伺います。
③あわせて、タブレットは、児童生徒が学習のみに使えるようしっかりとカスタマイズを行うべきですが、対策を伺います。
次に、「学校給食における和牛の提供」について伺います。
今般、国の補正予算で「学校給食における和牛の肉の提供」の事業化が動き出しています。都では調整に時間を要し、事業の進捗を心配していましたが、一方で、事業実現に向け、樋口議長が行われた特別区 議長会への働きかけや、加藤教育長が、各区の教育委員会に働きかけられたことなどにより、このたび、④事業の実現に大きな道筋が着いたと伺いました。そこでお尋ねします。これまでに都から事業実施の通知はあったのでしょうか。実施の時期は、いつごろになる予定でしょうか。
今回は、樋口議長が農林水産省の話を紹介されたことが、事業実施の発端となり、非常に有意義な給食提供に繋がったと評価しています。⑤今後も、国の補正予算が組まれる際には、各省庁の事業の関連情報には十分に注視してほしいと考えますが、教育長の見解をお尋ねします。
続いて、水害対策について伺います。
大規模な台風等による水害が日本各地に被害を及ぼしている昨今、東京においても昨年の台風15号・19号は記憶に新しいと思います。水害では特に、入院患者や介護施設入居者・自宅で介護を受けられている方・障害をお持ちの方等 自ら避難する事ができない方々の逃げ遅れによる痛ましい被害が発生しています。
これらをうけて、「水防法」および「土砂災害防止法」が改定され、浸水想定区域等の要配慮者利用施設の所有者または管理者に、「避難確保計画書」の作成と避難訓練の実施が義務付けられました。避難確保計画とは、水害や土砂災害が発生したときに施設のご利用者様やスタッフが円滑かつ迅速に避難できるように必要な事項を定めた計画になりますが、仄聞するところによれば、「避難確保計画書」を作成している施設はまだまだ少ないとの事です。
①そこで区長に伺います。本区に所在する要配慮者利用施設での「避難確保計画書」の作成状況について、区は把握されているのか。また未作成の施設に対して、どのような支援・指導をされているのでしょうか。
②あわせて、わが会派から再三求めている広域避難が可能な場合の避難先の確保は、「避難確保計画書」と同様に要介護者にとって重要な課題です。広域避難を推奨するなかで、避難場所の確保に関する区長の考え方を再度伺います。
3 ウィズコロナ時代の教育施策・災害対策について
(教育長答弁)
(1)学校の学力向上施策等について
まず、「今後、どのような子どもの姿を目指して、学力を伸ばしていこうと考えて いるのか」についてです。
議員ご指摘のように、子どもたちを取り巻く状況は、今回のコロナ禍を原因とする 学校活動の変更においても、卒業式を始めとする式典、運動会・学芸会などの行事、 修学旅行などの校外学習の実施に大きな影響を与え、また、新たな出来事が次々と発 生しており、先行きが見えにくくなっています。
こうした予測困難な社会において、子どもたちに学力をしっかり身に付けさせ、変 化に主体的に関わり、対応する力や、正解のない課題に対し、他者と協力して解決し ていく力を身に付けた、児童・生徒の育成を目指していきます。
次に、GIGAスクール構想と学力向上について、今後、タブレット端末を利用し た児童・生徒の学力向上策についてです。
タブレット端末は、児童・生徒の学力の定着及び向上を図るために、たいへん有効 な学習ツールです。通常授業においては、児童・生徒の、興味や理解を高め、知識を 定着するための動画の視聴、また、グループ学習での、授業支援アプリのカードを活 用した、深く学ぶための話し合いや、プレゼンテーションによる発表などで活用しま す。
さらに、宿題、予習、自習による家庭学習の充実などにも、効果的に活用して、学 力の向上を図ります。
また、授業参加が難しい生徒に対し、授業の様子を、別室でオンライン参加ができ るよう、一部の中学校で試行を始めましたが、今後は、不登校児童・生徒にも拡充し ていきたいと考えます。
このほか、日本語指導を必要とする児童・生徒の、学習支援での活用、再度の学校 の臨時休業の際には、オンライン授業にも活用したいと考えています。
次に、児童・生徒用タブレットのカスタマイズについてです。
児童・生徒に配布するタブレット端末は、学習目的に使用するものではない、ゲー ムやSNSなどのアプリを、自由にダウンロードできない設定としているほか、学習 目的以外のインターネットの閲覧もできないように制限しており、学習のために使用 する端末となっています。
次に、「学校給食における和牛の肉の提供事業」についてです。
まず、事業の進捗ですが、本年 11 月 16 日、都教育委員会から、本事業を実施する 旨の通知がありました。この事業では、令和3年1月及び2月の2か月間で、3回ま で提供することができます。食育の視点も入れ、子どもたちから喜ばれ、笑顔になる、 和牛を使用した給食を提供します。
次に、各省庁の事業関連情報の収集についてです。
各省庁の情報は、都教育委員会を通じて提供されますが、提供される情報を待つだ けではなく、各省庁の関係情報を注視し、様々なルートから情報を収集していきます。
(区長答弁)
(2)水害対策について
まず、要配慮者利用施設での水害時避難確保計画の作成状況についてですが、墨田 区地域防災計画(令和元年度修正)では、要配慮者が利用する施設として114施設 を定めており、そのうち102施設は作成済みであることを確認しています。
また、今年度の計画の修正に当たり、新たに300余りの施設を定めていきます。 これまで未作成の施設や新たな施設に対しては、計画の作成手順や水害情報の提供等、支援や指導を行っていきます。
次に、広域避難場所の確保についてです。 荒川氾濫等による大規模水害時の避難先については、内閣府・都が中心となって進
めている「首都圏広域避難検討会」や江東5区との連携等により、避難場所の確保に 向けた協議を進めていますが、併せて区独自での広域避難場所の確保や、区民があら かじめ自主的に広域避難先を決めておく必要性の啓発についても、引き続き取り組ん でいきます。
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