ソーシャルディスタンス盆踊りが試験開催されました

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皆さまご存知の通り、今年の夏は新型コロナウイルス感染症の影響で、各地のイベントやお祭りが軒並み中止になってしまいました。


私は盆踊り愛好者です。長年実行委員として運営に関わっている錦糸町河内音頭(本当は今年39年めでした)も中止、青山郡上おどりなど都内で開催される盆踊り大会も中止、区内の祭礼及び奉納踊りも中止になり、今年は一度も踊れないと諦めておりました。


そんな中、区内盆踊り愛好者がたから、屋外やホールで小規模な盆踊りを行うにはどうしたら良いか相談に乗って欲しい、という連絡が入り、私も愛好者の一人としてお手伝いさせて頂きました。


以降、盆踊りではなく「輪踊り」と表現させて頂きます。


有志で準備グループを結成し、準備をスタート。

・公園の占用にまつわる手続き

・開催する上での感染防止対策(踊りの輪)

・開催する上での感染防止対策(受付)

・区内の櫓の多くで使用されている楽曲の抽出、音源作成

・熱中症予防、感染症対策に配慮したタイムテーブル


などなど、それぞれの得意分野を生かして、手分けして進めます。


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絵心爆発(笑)の企画ラフ(坂井ユカコ画)


隅田公園そよ風ひろばを会場に


社会実験の一環として、隅田公園そよ風ひろばを使わせて頂くことになりました。

区内屈指の広大な敷地であり、感染防止対策に適していること、舗装広場は転倒などのリスクが少ない場所です。

台風シーズンということもあり、95()以外に、予備日を2日用意しました。


ソーシャルディスタンスを確保した踊りの輪


踊る際はマスクを着用することに決まりました。

しかし、前進しながら踊る盆踊りです。いかに人と人との距離をコントロールするかが課題となりました。

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そこで思いついたスキーム。

どこから計っても「2.5メートル」を確保した人の配置です。

2メートルでは近すぎるし、3メートルでは輪踊りの雰囲気が出ません。

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トラロープと、アクリル綾テープを入手し、現場で測りながら印をつけて行きました。

なかなか良い感じです。

輪を増やせば、踊れる人数も増やせます。(今回は検証開催なので335名)

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登録・検温した参加者に目印を渡す


この輪踊りは、35名限定での検証開催であるため、告知は行わず、愛好者が直接お声かけした方のみの参加が前提となりました。

とはいえ、当日通りかかりの方、地元向島一丁目の住民の方など、当日踊ってみたいと思った方には、是非楽しく踊って頂きたいのは踊り好きの共通した気持ちです。


そこで、当日受付で、手指消毒、非接触式体温計による検温、受付表(お名前と連絡先、体温)の記入を行なって頂き、すべての手続きを済まされた方に、その目印となる光る指輪をお渡しし、目印のない方は踊りの輪に入れないルールにしました。

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区内で踊られている21曲を厳選


盆踊り愛好者は区内各地の奉納踊りの櫓に出かけているため、区民に親しみのある(全区的に大体の方が踊ることができる)楽曲を熟知しています。

今回、①ド定番、②すみだご当地、③エリア限定の定番曲、に分類し、3時間の中で、①、②を2回、③を1回踊るプログラムにしました。


一曲ごとに注意喚起、7曲ごとに10分休憩


盆踊りは基本的に、曲間で輪から外れて、休憩することは自由です。

とはいえコロナ禍、9月の輪踊りです。1曲ごとに、ソーシャルディスタンスの確保(トラロープについている赤い紐の位置に整列して頂く)、熱中症予防の水分補給を呼びかけました。合わせて7曲(約25分)ごとに10分間の休憩を設け、参加者にお休み頂きました。


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司会と音響は錦糸町河内音頭の山口屋左七氏が助っ人に!


晴天に恵まれ開催したものの


前日からお天気が気になって仕方ありませんでしたが、、、

当日は晴天に恵まれ、極めて理想的な準備、スタートになりました。

空を見上げながら、5ターム全39曲もあと4曲です。

ああ、うまく終われそうだ、と思った矢先、真上に雨雲が近づいてきました。

このあと、5分以内に雨が降る事が確実だったため、慌てて閉会宣言。

参加者に協力を呼びかけ、トラロープの撤収、音響設備の撤収。

あっという間に土砂降りに包まれた隅田公園、一部の勇者以外、大きく濡れずに済みました。皆さまご協力ありがとうございました。



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携わって気づいた点


この輪踊りを通じて、


今年は、本当に、夏らしい事を何もしなかった事を実感しました。

その思いは、参加者、また公園でのんびり過ごしている見物の方々にも共通だったようで、いつもと少し違う形ではあるものの、夏らしい風景を共有する事ができたことで、園内が幸せムードに包まれているように感じました。


コロナ禍で体力が決定的に低下していることも実感。

私自身はもちろん、周囲も同様の感覚をお持ちの方が一般的だと思います。

昨年とは比較にならない体力でこの夏を乗り切るのは、特にご高齢の方にとって、どれほど大変なことだろうと感じました。


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私は今年、踊っていません。踊ると楽しかったけれど、大変疲れました。

いつもはこんなではありません。今年は別の体のように感じました。

区民の皆さんにとって、毎年行われる奉納踊りの練習や実践が、軽い運動の継続として体力増強に一定の効果があることを、身をもって実感したところです。

参加者の中には、涼しくなってから再度開催して欲しいというご意見も頂きました。確かに秋に入ってから、体を動かせば、安全に体力増強することができると感じました。


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最後に、公園活用の可能性について。

公園の占用は公益性が重要です。今回の「隅田公園そよ風ひろば納涼輪踊り」では、新しい生活様式におけるイベント実施の対策、ソーシャルディスタンシングを確保した「納涼踊り」の在り方を検証しました。

コロナ禍でイベントが中止となり、踊る機会を損失した皆さんに、安全な踊りの機会を提供すると同時に、外出自粛で低下した体力を増強する、そのためには誰もが参加できる体制が求められます。

それが、この社会実験に関わった方々によって具現化できることを、切に願っております。

公園活用の鍵は、私たち区民にかかっています!


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