2019年12月10日

障がい者支援、自己実現の糧となる「豊かな就労」へ向けて

平成25年から、障害者優先調達推進法が施行され、国や地方等においては、物品やサービスを調達する際、障害者就労施設等から優先的・積極的に購入することにより、障害者就労施設で働く方々や、在宅で働く方々の経済面の自立を進める事が求められています。

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◆支援のヒントは、障がい者の仕事内容を知る事から

昨年9月、墨田区障害者福祉課が地元クリエイターと取り組む福祉作業所の商品開発支援プロジェクト「すみのわ」が、展示会を行いました。

この展示会では、区内福祉作業所とクリエイター、区内ものづくり事業者がコラボし、ものづくりのまち、すみだの上質な端材を使ったノベルティ(記念品や返礼品)を提案しました。

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日頃から「すみのわ」を応援する立場として、SNS等で展示会を紹介したところ、早速事業者から展示会中に記念品の注文が入り、実際に記念品を受け取ったお客様からも趣旨に賛同する声が寄せられたと聞きました。福祉作業所の存在を広く知って頂くことがいかに重要であるか、こうしたやり取りから痛感しました。

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障害者福祉課主催で8月に開催された、「私たちの仕事を紹介します」展示会では、各福祉作業所のサービス内容、1日の対応可能量、1回の受注可能数、納期過去の実績や注文する場合の連絡先がわかりやすく掲載された「発注作業所一覧表」が配布され、福祉施設で日頃行なっている仕事がわかるだけでなく、障害者福祉の現場を応援するヒントを具体的に提供する、踏み込んだ取り組みとなりました。

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現在、「発注作業所一覧表」のような情報は公開されておらず、入手ができません。墨田区Webサイト上にも存在しません。私からはまず、Webサイトへの掲載等、福祉作業所にお願いしやすい体制を構築するよう、要望しました。


とはいえ、福祉作業所の仕事を知って頂き、注文が増えるだけでは解決できない課題がいくつかあります。


◆受注調整をする役割が必要

現状、福祉作業所全体の作業状況を把握し、コントロールする立場を担う場所はありません。そのため、せっかく各作業所へ作業を依頼しても、施設の受注状況によっては、せっかくの依頼が引き受けられない事もあり、本当に勿体無いことをしています。

注文を共同受注できたり、受注調整をすることができる役割を担う場所があれば、それぞれの施設のキャパに合わせて仕事を分散させ、工賃が高い案件、大きい案件が来た時も、注文を受けられるようになります。(区には福祉作業所ネットワークという会議体がありますが、こうした役割と責任を負うのは難しい現状です。)

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◆工賃アップが求められる現場

平成19年に「工賃倍増5カ年計画支援事業」を厚生労働省が策定したものの、工賃は微増に留まり、倍増は達成できず、十分な成果は出ませんでした。

工賃が倍にならないのはなぜでしょう。

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平成29年度の就労継続支援B型事業所の平均工賃は、15,603円です。

区内福祉作業所で受注する作業のほとんどは、1工程=1円以下で、多くの作業所で担っている仕事は、1工程=25銭です。

この現状で国が目指す工賃倍増計画を実現しようとすると、障がい者は、なんと2.4秒に1回のペースで、仕事をこなさなければなりません。健常者の我々でもこなせないこのスピードを、彼らに求められるでしょうか。


前述したふたつの展示会には、皆様に障がい者の仕事を知って頂き、意義をご理解頂きたい、障がい者福祉への支援として、少しでも良い工賃の仕事を頂きたい、という現場の切実な願いが込められているのです。


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現在東京都が掲げる「工賃向上計画」も現在進行中です。

私は、障がいをお持ちの方が自己実現するうえで、その糧となる「豊かな就労」のために、下記3点が必要であると考えます。

① 障がい者就労支援の周知・啓発、活動の見える化
② 工賃水準向上への支援、趣旨に賛同する新たな取引先開拓への支援
③ ①、②を実現するための場所(共同受注・各支援施設への作業分配・営業活動等)

先の区民福祉委員会において、他区の先進ビジネスモデルも参考にしながら、今後さらなる支援を強めるべき、と訴えたうえで、会派からの重点予算要望として提出いたしました。


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◆先進ビジネスモデル紹介 ~世田谷区~

世田谷セレ部という経営ネットワーク(NPO法人)が、区の委託で共同受注窓口を運営しています。同NPO法人が地域の経済団体に加盟し、企業による障害者施設見学の積極的受入れや製品カタログ作成で民需の増進を図っている。

福祉作業所等での内職にとどまらず、公園や屋内の清掃作業や、落書き除去等、受注メニューも多彩で、平成26年度の調達実績額は約1億637万円を実現しました。

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◆区ホームページで、積極的活用を啓発 ~世田谷区~
世田谷区障害者優先調達推進方針を定め、調達実績も公開しています。


このたびの投稿に際して、すみのわ関さん、三田さんに取材協力頂きました。
心から御礼申し上げます。

すみのわの作品一例、廃財ボタンを活用したアクセサリーは付加価値と工賃水準向上を実現しています。
(黄色のブローチとピアスは坂井ユカコ私物)

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posted by 坂井ユカコ at 22:37| 東京 ☁| Comment(0) | 区政情報・議員活動 | 更新情報をチェックする
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