
現在全館休業中のすみだ健康ハウス。
このたび温浴施設の廃止が決定しました。
平成29年3月、天井から異音が発生したことを発端に、クアハウス天井内部に錆や腐蝕が広がっていることが確認され、利用者の安全のために、休業していた当該施設。
そのような中、施設を再開するためにはクアハウス及び浴室を中心に大規模な修繕が必要であり、約1年の工期と約2億5,600万円という巨額の費用を要することが、7月の調査で判明しました。

すみだ健康ハウスの9種の風呂と水中歩行リハビリ。
まず施設の背景に目を向けます。
同施設は、墨田清掃工場から供給される高温水によるお風呂が目玉でしたが、平成22年に高温水管が破損したため、それ以降はボイラーを使用して施設を運営してきた経緯があります。
高温水管の修繕については、工事の難易度が非常に高く、前述の大規模修繕に加え、多額の費用が必要となります。(ボイラーによる運営については、年間6,00万円から8,00万円の燃料費が必要)
次に利用者に目を向けてみます。
利用者は年間約3万人です。ただ、利用者の半数以上が減免利用者で、利用者層が固定化している傾向があります。これは自家風呂所有率がほぼ100%に近い現状や、区内外における民間健康増進施設の充実といった社会環境の変化により、区民のニーズが変化していることが一因であると考えられるでしょう。
さらに受益者負担に目を向けます。
この施設の、利用者一人当たりにかかる行政コストについてですが、同じ余熱利用施設として建てられた「すみだスポーツ健康センター」のコストと比較して、約4倍という高い水準にあります。
資料 平成29年度(28決算)事業別行政コスト計算書



同じ余熱利用施設「すみだ健康スポーツセンター」
このことから、大規模修繕の実施に見合う効果が期待できないという結論が導き出されました。
この施設はこれまで、区民の健康の増進及び回復並びに心身の休養を図ることを目的とした保養施設としての役割を果たしてきましたが、現在では一定の役割を終えたと判断し、平成30年3月31日をもって、「温浴施設」としては、その機能を廃止することとなりました。
従前の利用者の皆様には、本当にご不便をおかけしてしまうことは、重々承知しています。
さまざまな政策課題が山積する本区では、限られた税収・財源の中での、苦渋の決断となりました。
施設の今後については、これまでの憩いの場としての機能継続を念頭に、さまざまな区民ニーズに応えていくべく、機能及び内容を検討していくことになります。
検討状況はこちらで追ってこちらでお知らせいたします。